ANIKIの酒場

こんにちは。東北大学経済学部経済学科4年のANIKIです。ANIKIはベトナム人の友人につけて貰ったあだ名です。2014年9月より半年間ほど、台湾の国立政治大学社会科学院に交換留学生として行きます。その模様をブログにまとめて書いていきたいと考えています。

留学64日目:STATUS

留学してようやく気がついたことだが、日本で英語を勉強することはステータスを得るためにするだけのことだった。英語を使う機会に恵まれず、ひたすらパズルのように英語に取り組んでいた。なんだかよく分からない「グローバル化」という大きな物語に急かされるように。

 

 

その点、留学では日常の生活を楽しむために英語を使うことが多くなっているように思う。もちろん授業のためといった必須の活動のためということもある。

 

 

当初は言語のハブとして英語を活用していた。その結果、困ったことに基本的な単語しか使わなくなってしまった。もちろん中国語の初歩的な言葉に合わせる必要が生じてしまったから。そして留学当初の人と出会いまくるタイミングが過ぎると新しい人と英語で話す機会は急激に失われていった。

 

 

そのため、焦るように単語帳にかじりつき、新しい単語を覚えたり、映画館に通い英語での映画を見たりするようになった。1ヶ月で映画館には4,5回通った。

 

 

自分の持ち得る語彙で上手く説明するだけのフェーズから脱却し、いかに会話を豊かに行うかということに目標を置いた勉強を始めるようになった。もちろん多彩な語彙を学ぶことにつとめつつ。その点、他の国の人達との会話は分かりやすく意思疎通しやすく、「分かりやすい笑い」が求められていた。そんな笑いに飽きて来たという側面もあったのかもしれない。

 

 

会う人会う人に君の英語が日本語英語ではないねと言われる度にどう判断していいのか困る。もうどうでもいい。ともかく、日常の会話は英語だけでなく、他言語と英語を組み合わせた会話になることが多く、これまで以上に負荷のかかる英語での会話になっている。

 

 

主に言語交換を英語で行っているが、そこで日本語と英語、中国語の関係について学ばされることがある。例えば「将軍」の「将」という漢字。特にこれまで意味をあまり考えたことのない感じであったが、set, settle とかmake something positionsといった意味になる。非常に面白い。

 

 

これまで深く考えもしなかった言葉に英語を使うことによって理解を深めることができてとても楽しいし、自分の知らない新しい概念・知識を表すために英語を学ぼうと思う意欲はより高まっている。卒論を英語でやるか迷い中。

留学37日目:ADAPTATION

むちゃくちゃ驚いた。ふとYoutubeでゲームプレイを見たくなってBF4(バトルフィールド4)のゲームプレイを見ていた。中国軍だったようで中国語で話している。日本にいたときは分かるようで分からない言葉だった。

 

 

でも今は違う。はっきりと何を言っているのか分かる。かなり驚いた。分かるという事実に直面している自分に驚いた。

 

 

適応してきているなと思う。なるほど。留学、無意味ではないなんだなあ、と少し嬉しくなった。中国語をやるモチベーションがかなり上がった。

 

 

それと同じくして台湾人や初対面の日本人に「お前は台湾人だろう」と言われることが少しながら出て来た。中国語はまだまだだが、もっと現地化していきたい。楽しみがまた増えてとても嬉しい。

留学37日目:ASHIATO

ASHIATOに載せる用の文章を先にこちらへ。

 

 

今年は東北大学から台湾への交換留学生が多いようですが、誰もブログを書いていないので書くことにしました。台湾と言えば誰もが「親日の国で日本語が通じるから生活しやすい」というつまらないテンプレートなリプライをしてくれるところです。一部は正しく一部は間違っています。

 

 

国立台湾大学東北大学と同じく旧帝国大学シリーズであるように、元々日本が第二次大戦時に占領していたからその影響ではないかと思います。それでいて、親日なのはある程度正しいと思います。

 

 

また日本語が通じるのは観光地や日本語を習得しようと取り組んでいる人であって普通の人は勿論喋れません。それに交換留学で宿泊するのは刑務所のような4人部屋の国際寮です。英語と中国語が公用語です。誰もが母国語に加え、英語、中国語というトライリンガルな生活を強いられる素敵な環境です。

 

 

私は現在、経済学や政治学に関する英語での授業をいくつかと中国語で行われている他言語の授業をとっています。また授業外では体育会ラグビー部で最強のボディーランゲージを学んでいます。毎日筋肉痛ですし、プレーの最中の中国語は何を言っているのかまだ分からないことが多いですが、英語の助けを借りて連携したり、激走したりタックルしたりするのは最高です。

 

 

他には言語交換をしたり、珈琲クラブや書道クラブでリフェレッシュしたり、東北大学で所属しているインターナショナルなサークルの台湾支部の人と関わったり、台湾大での台日学生交流会に参加したりしています。週末、時間があるときは適当に暇そうな人を捕まえて観光に行ったりしています。

 

 

さて、このような忙しくも楽しい留学生活に必要なものが5つあると私は思います。これを書いてこの記事を終わりにしたいと思います。

 

 

1. 体力(健康)

海外で風邪を引くと本当に辛いです。私はここ2年くらい病院に行ったことがないくら健康なのですが、出国直前の連日の送別会という名の飲み会と日本を惜しむべく旅行のし過ぎ、および徹夜でのフライトにより留学初日から体調を崩していました。はじめの2週間は地獄のように辛かったです。

 

 

2. 最低限の英語力


東北大学の場合、交換留学はTOEFL ITP 500あれば欧州の大学にもアプライ出来ます。留学先での会話に少し支障があるかもしれませんが最低限というならこれでいいと思います。また私の留学先のように英語が母語でない国でもとりあえず英語ができれば生活はなんとかなります。助けを呼べます。

 

 

3. コミュニケーション能力

就職活動で耳がN々村議員になるほど聞いた言葉ですが、英語の能力で不足があるならば広義のコミュニケーション能力で補うしかないと思います。具体的には専門分野に対する深い知識や趣味なども包括されると思います。

 

 

 4. お金

成績が一定以上(GPA 3.0満点換算で2.3以上)ならほとんどの確率で奨学金が月に8万程度受給出来ます。これを有効に活用して旅行に行く先輩方もたくさん見て来ました。成績さえよければ良いのでとても良いと思います。

 

 

5. 何事も楽しむ心

全員に当てはまる訳ではないと思うのですが、楽しむ心は必要だと思います。私の場合は「私は○○を学ぶために留学しにきました」というよりも毎日が旅行気分なので精一杯楽しいことをしようという心持ちで生活しています。

 

 

大学4年生という老害として思うことは、留学は別に英語ができる人だけが行くものではないので、後輩には念入りに準備をした上で気軽にチャレンジしてみて欲しいということです。また交換留学だけでなく海外インターンシップにも是非取り組んで欲しいと思います。交換留学は楽しいことの方が多いので、海外インターンシップの方が挑戦しがいがあると思います。少しでも後輩の背中を押せたなら幸いです。

留学33日目:SNITCH

英語も中国語も出来ないのによくノンキに海外来れるなと九份で日本人に囲まれて思う。それも他人のことなので構わないけど交渉で不利なことがあっても交渉力ゼロ。実際少し高めのタクシーに乗せられてる客とかいたのを見てゲンナリ。あと駐在か何か知らないけど仕事で来てる夫について来てる奥さんもクソダサい。依存しまくりで現地の人とコミュニケーションしないとか面白いのか。


話した外国人共は日本に関心があって日本に行きたいけど英語が使えないのが辛いらしい。みんな笑顔か少し困った顔でyes yes ok ok thank youしか言わないらしい。日本人むっちゃポジティブマン。


日本人は無駄に親切だから交渉しなくてもいいような文化に育ってると思うし、それをはしたないと思う文化がある気が。でも日常の些細なことから交渉する経験を積むのとそうでないのは大きな差だと思うし、それが引いては授業中の質問力とかに繋がるのかなと思った。


話は変わるが英語をやりに留学しに来ましたって言うなら旅行に来ましたって言った方がまだ好感度は高い。そんなことよりLOLやろう!台灣のナショナルゲーム!


切実に日本のラーメンが食べたい。二郎とか食べれたら感涙を流す自信あり。


携帯から投稿するなら写真もアップしやすいけどやっぱりやめる。

留学30日目:TIME

留学して1ヶ月が経過した。やることに追われていてこんなものを書いている場合ではない気がするが書いておこう。試験前の掃除のように。

 

 

同じ大学への留学においても各大学によって交換留学のための要求水準が異なることを知る。例えばTOEFL-itp550ないといけないところやTOEFL-itp500でもいけるところ、特に選抜みたいなものがなかったところなど。

 

 

1ヶ月、それなりに色々と足を運んでみて出した結論はひたすらインプットに徹する姿勢の大切さ。アウトプットは意識しなくても強いられる、ように思う。よほどの引き蘢りでなければ。それにアウトプットしなければいけないといったような強迫観念みたいなものを、少なくても私は持っているように思う。

 

 

こっちの大学では体育会ラグビー部、珈琲クラブ、カリグラフィークラブなどに所属し、授業の他でも楽しんでいる。この前ラグビーの練習の時に頭を打って軽く脳しんとうを起こしたのか吐いたのは嫌な思い出。少しラグビーを舐めていたように思う。

 

 

サークルのことで毎晩考える。仕事が進んでいないと言えばそれまでだが、地方の有力地銀の首都圏でのリクルートの仕方などを真似る必要があるように思う。それと同じような状態におると考えている。

 

 

毎日新しい人と会うと行っても過言ではないが、その一方で名前を覚えるのは大変だし、初対面同士の楽しいところだけを味わっているようで今後も関係を継続したい。

 

 

英語で生活することに困難は感じていない。中国語でラグビーをプレイしたり、中国語で行われているベトナム語の授業をとるのが今の所一番厳しい。

 

 

後輩が書いていたように思うが、仲良くなるのに下ネタなんてどっちでもいい。他人とのコミュニケーションの仕方なんてそれぞれだし、下ネタが言えなきゃダメとか一発芸ができなきゃだめとかそんなことはない。もちろんそういうことが求められるクラスタもあるんだろうけど。

 

 

もう一ヶ月も経ってしまった。日本にいたときはこんな感覚はなかったと思う。日本にいると時間の希少価値をしっかり認識することができないと思う。でもそれは責められるべきことでもないと思う。

 

 

たまたまそう認識出来る環境に身を置くことがたまたまあっただけで。人生は偶然で決まってしまうと強く思うし、偶然という賽の目をより良い方向に転がせるよう朝早く起きることから頑張りたいと思う。前にも書いたけどこれが最も重大な問題。

留学24日目:FORGOT

台湾人に言われた「君の英語が上手過ぎて分からない」というフレーズ。いい言い訳の仕方を学んだと思った。

 

 

僕の英語はほぼ彼女から学んだと言っても過言ではない。欧米圏の彼女を作れば英語が上手くなるとか昔何かの本で読んだがどうでもいい。話す機会が莫大に増えるのと瞬間的にどうリプライすれば良いかを真剣に考えるから話したり聞いたりする力が伸びるって話だと思う。

 

 

たぶん10日くらい前、台湾人から英語で3時間くらいインタビューを受ける機会があった。正直録音されながらのインタビューで自分のことを話すのはとても恥ずかしく、思い出したくもない。が、自分がどうやって英語を身につけて来たか振り返る良い機会になった。

 

 

中学、高校と良い学校に行っていたが英語なんてからっきしダメ。理由はよく覚えてないが、興味がなかったからだと思う。大学2年の時、編入試験のために再度英語を勉強し直し、ようやく文法を正確に扱えるようになった。真面目にやったのは実質半年だけ。それでも世界が広がった気がした。

 

 

でも英語で世界が見えるようになっただけで世界はそんなに変わっていなかった。驕りの一種だと思う。

 

 

日本では英語ができるだけで割と良い大学や良い職に就けることができる、と思う。東北大学経済学部の編入試験なんてその典型例だ。筆記試験はTOEICで代用する英語、専門科目(経済科目×2)、小論文の3科目のみ、1科目100点の300点満点で毎年200〜210が合格ライン。TOEICで900くらいあるだけですでに合格点の半分くらい。あとは適当に小論文を書いて経済科目をやれば世間で言われる旧帝国大学の学位が手に入る。

 

 

正直、こんな簡単に入れる試験があっていいのかとこの制度を利用しながら長らく自問自答し苦しんでいた。でも最近、どうでもよくなった。以前より制度があるなら利用すれば良いだけだし、とは思っていたが以前よりもその確信度合いが強まったから。

 

 

英語が話せたから?then what?留学先の大学ではみんな英語なんて話せて当たり前。息を吐くのと同じくらい。当たり前の水準をどこに持っていくか。英語ができるかどうかで区切る世界なんて下らなさ過ぎて笑える。

 

 

http://moltke.cc.nccu.edu.tw/qrycourse/qryEngSub.jsp?yy=97&smt=2

 

 

今いる大学で今セメスターとれる英語開講科目一覧。多いと思う。交換留学生に取ってはありがたい。日本にいるときはゼミの先生の英語開講の金融論の授業を取った。レジュメを事前に配ってくれればよかったとは思うが、コンテンツはこっちでの授業と大差ない。サボってばかりで申し訳ないことをしたなと思う。

 

 

学歴もあくまで自分のやりたいことをやるための道具でしかない。皆に交換留学に来た理由を聞いていてそう思った。良い大学、世界ランクの高い大学に行ってまでやりたいことがあるなら行ったら良いと思う。でも周りの当たり前の環境を考えるのは良いことだと思う。

 

 

海外に住んでいた経験があったり日本に戻って来た帰国子女がなんでやたらと日本をdisるのか少し分かった気がした。海外にいると「君は日本人の中では英語がむちゃくちゃできるね!」と褒められる。本当によく褒められる。日本と違って思ったことを割と率直に言うからなのかは知らないがとにかく言われる。これが成功体験になっているからなんだと思う。

 

 

ちなみに日本の大学の帰国子女向けの入試はクソ簡単らしい。上智とかはアメリカ版のセンター試験で4割くらいの得点率で入れるらしいってMBAプログラムで来ている日本人の先輩に言われた。でもどうでもいい。

 

 

 

 

周りのことを使って自分の評価を高めるのはかっこ悪いと思う。でもそれがある程度有効だからみなそうしているのだと思う。そんな些細なことで悩んでいるのもどうでもいい。

 

 

海外のことを伝えるのは難しい。まず、義務があるからやっている訳じゃない。そして書いているとあたかも自分の自慢をしているような気分になるし、そう読まれても仕方ないことが出て来ると思う。

 

 

謙虚になってみると言語面では

 

英語:話せるし聞けるけどまだまだ全然ダメ

中国語:わかっらーん

ベトナム語:えおーーーい!

 

 

こんな感じ。とりあえず早起きすることから頑張ろうと思う。

 

 

タイトルを何にしようか考えて「くだらないと思って忘れた些細な心の機微」という意味で「FORGET」か「FORGOT」にしようと思い、「あ、この言葉は「手に入れるため」という意味だったのか」と思った。たぶんこじつけ。

留学4日目:ENGLISH

現地の大学生よりも交換留学生と話すのが先という図式が一般的な交換留学において、欧州の学生が多い台湾で留学をすることは非常に価値があると思う。

 

 

消防訓練に参加する。地震訓練があり、防災頭巾を被り、震度7らしいのを体験することができた。ものの震度4,5くらいのイメージ。しかも時間が短い。

 

 

それでも消防訓練を担当した消防署の若手のプレゼンターが非常に英語を流暢に使っているのは衝撃だった。東北大学で交換留学を経験した人レベルで話せていた。教育水準、凄まじい。

 

 

日本語学科の人に会う。日本語が流暢で驚く。台湾の初任給を聞いてさらに驚く。日本円で7,8万円程度。台北市の男性はその多くが新竹にある大学に行くので台北市の大学には女性が多いらしい。男女比な歪なバランスのため台北市の大学に通う女性は彼氏がいない人が多いとか。本当なのかな。

 

 

なぜか「すき家」が人気。ブラック企業を英語・中国語で何と言えばいいか謎と友達と話す。小龍包を食べに小旅行。日本人観光客を相席に。俺らも観光客だな、と思う。